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【2024最新版】FAT回帰の理由とは?ファット端末とシンクライアント端末の特長を徹底比較

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20年以上PCの開発設計から製造、運用や保守・保証サポートまでのすべてを行なっているVAIO株式会社が解説。働き方の変化によって生じた「FAT回帰」に焦点を当て、ファット端末とシンクライアント端末の特長の相違点をわかりやすく解説します。

この記事はこのような方におすすめです
  • 働き方の変化に伴い、ファット端末とシンクライアント端末の選択に悩んでいる方。
  • FAT回帰の概念や背景について理解を深めたい方。
  • ファット端末とシンクライアント端末の利点や欠点について詳しく知りたい方。
  • ハイブリッドワーク・テレワーク時代のITインフラ最適化について検討中のIT担当者の方。

ファット端末とシンクライアント端末の違い

「FAT回帰」そんな言葉を最近耳にしたことはないでしょうか?私たちの周りでも、そういったお客様が増えてきています。今回は、ファット端末シンクライアント端末。この2つについてお話をさせて頂きます。

まずは、シンクライアント端末についてご説明しましょう。シンクライアント端末には、大きな特長として以下のようなものがあります。

シンクライアント端末の特長

シンクライアント(Thin Client)端末は、Thin(薄い、痩せている)が意味するように、クライアント-サーバーアーキテクチャを基にしたコンピューターシステムの一種で、主にネットワーク上のサーバーからシンクライアント端末に処理やアプリケーションを提供することを前提に設計された軽量なデバイスです。主な特長としては以下のようなものが挙げられます。

軽量なハードウェア

シンクライアント端末は、高性能なハードウェアを必要とせず、基本的な処理能力を持つ軽量なコンピュータです。CPUやメモリ、ストレージなどが比較的控えめで、コンピュータの本体は単純な構成のものが多いです。

サーバースペックに依存

シンクライアント環境では、主要な処理やアプリケーションをシンクライアント端末ではなく、サーバー側で実行するため、シンクライアント端末自体に求められる性能は必要最低限で対応可能です。一方、サーバー側が多くの処理を担当するため、サーバー側には十分な性能が求められます。

常時ネットワーク接続

シンクライアント端末は、ネットワーク上のサーバーと常に接続する必要があります。アプリケーションの実行やデータの操作は、サーバー側で実行され、ネットワーク越しに画面情報がシンクライアント端末に伝送されます。

セキュリティとデータ保護

シンクライアント環境では、データがサーバー側に保存されます。そのためデータが集中管理され、デバイス自体には機密情報などはほとんど保存されません。セキュリティの向上やデータの保護に役立ちます。

管理の簡易化

シンクライアント環境では、アプリケーションやシステムのアップデート、セキュリティ対策などの管理がサーバーで行われます。個々のシンクライアント端末での管理が少なくなり、統一された環境を維持しやすくなります。

低コストと省電力

シンクライアント端末のハードウェアは軽量であるため、購入コストが抑えられます。また、サーバーで処理が行われるため、シンクライアント端末自体の電力消費も低く抑えられます。

遠隔アクセス

シンクライアント環境では、ネットワークに接続されている限り、どこからでもアクセスできる利点があります。リモートワーカーや分散した場所からもアプリケーションやデータにアクセスできます。

対応範囲

シンクライアント環境は、基本的な業務アプリケーションの利用やオフィスワークに適しています。画像やビデオ編集などの高負荷なタスクには向いていません。

ファットクライアント端末の特長

ファットクライアント(Fat Client)は、処理能力やアプリケーションの大部分をクライアント側で実行するコンピューターシステムを指します。シンクライアントとは対照的に、ファットクライアント端末は端末自体が比較的高い処理能力を持ち、アプリケーションの多くをローカルで実行します。以下に、ファットクライアントの特長や利点について詳しく説明します。

処理能力の分散

ファットクライアント環境では、アプリケーションの実行や処理をファットクライアント端末自体で行うため、サーバーの負荷が軽減されます。重い処理がローカルで行われるため、ネットワークトラフィックも軽減されます。

オフライン作業の可能性

ファットクライアントは、ほとんどのアプリケーションやデータをローカルで実行できるため、ネットワーク接続がない状況でも作業が可能です。これにより、リモート先や移動中などネットワークが無い場所でも作業を続けられます。

高い柔軟性

ファットクライアントは、ローカルで多くのアプリケーションを実行できるため、特定のタスクやニーズに合わせてカスタマイズされた環境を構築しやすくなります。

独立性と管理の柔軟性

ファットクライアント環境では、クライアント端末はサーバーに依存せず一定の独立性を持ちます。そのためクライアント端末側でアプリケーションの管理ができ、特定の要件に合わせたアップデートや設定変更が可能です。

高負荷なタスクへの対応

ファットクライアントは、高負荷なタスクやリソースを要するアプリケーションを実行するのに適しています。例えば、グラフィックやビデオ編集、3Dレンダリングなどのタスクに対応できます。

ローカルデータの保持

ファットクライアントは、アプリケーションやデータをローカルに保存するため、ネットワーク接続が途切れても作業を継続できます。ただし、バックアップやデータの保護が重要です。

コストとセキュリティの考慮

ファットクライアントは、クライアントデバイス自体に高い処理能力とストレージが必要です。また、セキュリティやアプリケーションの管理もクライアント側で行う必要があります。

シンクライアントとファットクライアントの比較

シンクライアントとファットクライアントに違いをまとめると以下の様になります。

PCがビジネスで利用され始めたころは、コストの問題やネットワークが今ほど自由に使えず高速ではなかったこと、また、デスクトップPCが主流であったことから、いまでいうファットクライアント形態での利用が主流でした。その後、ノートPCの普及や、インターネット環境の改善、進化などにより、安全性を重視する企業がVDIなどを利用したシンクライアント環境への移行を始めました。

シンクライアント環境は、データがPC内部に残らずセキュリティの向上やデータの保護に大きなメリットがあります。金融、保険など重要なデータや個人情報を扱う業種にとっては、この点は大きなメリットと認識をされています。また、端末の紛失などによる情報漏洩のリスクも抑えることが可能です。

一方で、シンクライアント環境の大きな欠点として、常にネットワークが必要である、つまりオフライン利用ができない事があげられます。このため、一斉に社員が利用した場合などは、サーバー側に負荷がかかり一人当に割り当てられる性能減少による生産性低下などの問題発生や、ネットワークトラフィックの集中によるレスポンスの低下などが発生することがあります。また、Web会議の様なマイク、カメラといったシンクライアント端末に搭載されたハードウェアを利用するアプリケーションの利用は、サーバー側に大きな負担や技術的課題を生みやすくなります。他にも、シンクライアント構成は、PC端末に高い性能を求めませんがサーバー側には高い処理能力、高性能なハードウェアを求めることから、全体で見た場合の導入・運用コストが上昇する傾向もあります。シンクライアント環境を導入しているユーザーは、このような欠点があることは十分理解していましたが、これが新型コロナウイルス感染拡大に伴う働き方の変化=クライアントの利用形態の変化によって顕著になりました。

外部からの利用や増加に伴い、シンクライアント環境ではネットワーク/サーバー性能の不足や、Web会議の利用でスムーズな業務が行えなくなってきたのです。そのため、一部の業務、例えばWeb会議などはシンクライアント端末側で処理を行う(ファット的に利用する)ことを検討した企業も多いようですが、端末に高い性能を求めていないシンクライアント端末向けの性能の低いPCではこういった処理が重たく快適に利用できないことも多かったようです。

FAT回帰の現状

このような働き方の変化に加え、ゼロトラストを始めとするセキュリティリスク対策の考え方の変化やクラウドサービスの利用拡大により、一度はシンクライアント環境を導入したものの、ファットクライアントを利用した業務形態に回帰している企業が出てきています。

このように、PCがオフィスで利用され始めたころは、ファットクライアント形態で利用され始め、その後、IT環境の変化・進化によりシンクライアント形態での利用が増加。しかし、働き方の変化により、再びファットクライアント形態で利用されるようになった流れをファット回帰と呼びます。ファットクライアントに回帰しながらもシンクライアント端末が持つデータ保護や集中管理のメリットを求める企業は、ファットクライアントを利用しながらクラウドパワーも利用するDaaS(Desktop as a Service)へとその管理形態を変えた企業もあります。

ファットクライアント環境であれ、シンクライアント環境であれ、またDaaSを利用するにせよ、その通信経路を安全に守り、またインターネットの危険性から端末を保護することは重要です。さまざまなネットワークを利用しながら安全に業務を進めるためには、安全な通信を確実に行う、通信を分散し快適なネットワーク利用ができる、端末の安全性を集中管理できる、そういった通信経路の構築が重要です。働き方の変化や、端末の利用方法の変化により、従来のリモートアクセスサービスに課題を感じている、ゼロトラスト時代のセキュアなリモートアクセスを求めている、そのような悩みや課題をお持ちの方は、ぜひソコワクをご検討ください。

VAIOがおすすめするセキュリティサービス

自動接続・常時接続機能により、ユーザーの場所に関わらず社内ネットワークと同じ環境を利用できるため、社内でPCを利用しているのと同じ安全性をPCがどこにあって実現します。また、マネージドサービスとして提供させていただくため、運用に関するコスト・リソース問題など様々な課題を解決できます。
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執筆者
VAIO株式会社
開発本部 ITソリューションセンター/センター長
安藤 徹次
執筆者
VAIO株式会社
開発本部 ITソリューションセンター/チーフセキュリティエンジニア
瀧川 晶義

保有資格:情報処理安全確保支援士(登録番号:第018873号)

VAIOは、これまでVAIO事業の拠点としてきた長野県に本社を構え、経営・開発・製造一体で運営し ています。成熟期に入ったPC市場の中で、法人向けのビジネスを強化。20年以上PC開発で培った技術力とノウハウをもとに、ハイブリッドワーク時代は無視できないセキュリティの不安解決にも注力しています。このブログを通じて、法人の皆様のセキュリティ強化に役立つ情報を読みやすいコンテンツにまとめてお届けしていきます。

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